COLUMN

  • TOP
  • COLUMN
  • 新作と、新たな出会い...

COLUMN

2023.11.14

新作と、新たな出会い・発見…。スペインのものづくりを求めて①【社長 鶴田浩コラム】

1ヶ月程前、スペインに行ってきました。
今回は、

「JARAPA(ハラパ)」での新作の打ち合わせ
「バレンシア国際家具見本市」の訪問
新たなプロダクトとの出会い
を目的としたものです。

 

リアルスタイルは、創業間もない頃にスペイン製のラグ・ハラパの取り扱いを始めてから約20年もの間、スペインとの交易があります。
ハラパとの出会いやその魅力は、ぜひ過去のコラム「リアルスタイルとスペイン?」をご覧ください。

 

 

今回の訪問で、改めてスペインのものづくりの素晴らしさや進化、将来性を感じたので、ご紹介したいと思います。

 

 

 

<バレンシア国際家具見本市>
まず私たちが訪れたのが、こちら。
以前は、イタリアの「ミラノサローネ」、ドイツの「ケルン国際家具見本市」と並ぶ、世界3大家具見本市のひとつでしたが、現在ではフランスの「メゾン・エ・オブジェ」やスウェーデンの「ストックホルム国際家具見本市」の方が注目を浴びていますね。

 

 

私が2014年に訪問した際、リアルスタイルで今人気のハンモック「Komforta(コンフォルタ)」との出会いはあったものの、展示会全体の印象は、正直パッとしませんでした。
衰退の理由は、スペインも他のヨーロッパの国と同様、中国やタイなどの第三国で生産するようになったからだと
私は考えています。

 

そのため今回も期待せずに行ったのですが、良い意味で裏切られました。

 

 

 

もともとスペインは家具の産地で、独自の素晴らしい伝統工芸があります。
そんな、自国でのものづくりが復活しつつあるのです。

会場全体の雰囲気も9年前とは打って変わって活気に満ちていて、スペインの伝統文化とものづくりの進化が感じられる、とても有意義な展示会でした。

 

 

 

そして、今回私が最も注目したのが「iota」です。
スペインではなくイスラエルのライフスタイルブランドですが、編み物のようにしつらえた生地のラグや座椅子に
端正な美しさを感じます。
また、中東情勢が緊迫化する中でも使命感を持って変わらずものづくりをし続けている姿勢に感銘を受けます。

 

 

 

 

翌日からは、新しいプロダクトとの出会いを求め、様々なブランドや工場巡りへ。

 

 

<OISIDE(オイサイド)>
バレンシアの展示会で社長と意気投合したこともあり、週末にもかかわらず招待してくださったオイサイド本社で、展示会にはなかったガーデンチェアを見せていただきました。

オイサイドはアルミ加工技術がとても優れていて、アルミ製のガーデンファニチャーは、なんと5年保証付きです。
自信の表れを感じますね。

 

 

 

 

 

その後、社長の自宅でパエリアをふるまっていただき、さらにオイサイドの製品を納品したというムルシア州のお店へ案内していただきました。
新進気鋭のデザイナーがデザインしたカジノ・クラブ・レストランが一体となった娯楽施設で、屋上の貸切パーティ会場にあるプールの高さは、世界2位だそうです!
ゴージャスな空間に、デザイン性も座り心地も抜群のオイサイドのチェアが馴染んでいました。

 

 

 

 

<Jorge HERRERA(ホルヘ・エレーラ)>
オイサイドのデザインも手掛けるデザイナーの元にも行きました。
照明メーカーのFLOS(フロス)をはじめとする有名ブランドや、後ほど紹介するPOTT PROJECT(ポットプロジェクト)、また日本専門メーカーの宮崎椅子のデザインまで、幅広く手がける注目のデザイナーです。

 

 

 

 

<POTT PROJECT(ポット プロジェクト)>
以前フランスの「メゾン・エ・オブジェ」でこちらの照明を見かけ、面白いと思っていました。
オイサイドと同じく陶器産地のトタナに会社があると知り、今回訪問することに。

 

 

 

 

ポットプロジェクトは、3人のクリエイターが立ち上げたブランド。
特徴的な小さな穴がたくさん空いた照明は、実は発泡スチロールを活用したものなのです。
成形する際に粒状の発泡スチロールを土に練り込むことで、焼いたときにその部分が溶けて燃えるため、光が透過するという仕組みです。

 

 

このように、メイドインスペインに舵を切り、国内で技術を磨いているスペイン。
先進国で、自国で最終製品までつくっている国はあまりありません。
そういった点では、ヨーロッパでは抜きん出た存在となったのではないでしょうか。
今後の展開にも、さらに期待が高まります。

 

もともとスペインは、アントニオ・ガウディやピカソ、ダリなどの巨匠たちをはじめ、最近ではパトリシア・ウルキオラやアイメ・アジョンといった一流デザイナーを排出している素晴らしい国です。
リアルスタイルも、日本のものづくりをベースにしながら、日本では表現しきれない、スペインだからこその発色や面白みなどをスパイスとして取り入れたいという思いがあり、スペインとの交易を続けています。

 

次回は、その原点とも言えるラグブランド「JARAPA(ハラパ)」と、リアルスタイルが総代理店を務める「GAN Rugs(ガン ラグ)」の本社「GANDIA BLASCO (ガンディアブラスコ)」に訪れた際のお話をしたいと思います。

INFORMATION