ARCHITECTURE

旧亘理町特定郵便局改修

CONCEPT

築92年 昭和初期の洋館再生

昭和2年4月上棟の洋館は、地域の名士が土地や建物を提供し国が認可する特定郵便局として建てられ、戦前から終戦まで郵便物の集荷・配達や郵便貯金、国債の発行等を行うのが主な業務でした。折から激しさを増す事変(宣戦布告の無い戦争=満州事変・上海事変)、そして泥沼化する日中戦争の軍費調達のための集金機関としての機能を持ち、それは昭和20年の大東亜戦争(太平洋戦争)の敗戦まで続きました。解体前の2階奥の棚には「大政翼賛」「臣道實踐」の近衛文麿首相筆を印刷したスローガンが残っており、当時の雰囲気を偲ばせます。敗戦後は進駐軍(GHQ)の指示もあり特定郵便局を返上、近くには国の管理する新たな郵便局が開設され、その役割は20年足らずで終えることとなりました。戦後は賃貸借物件となり、商工会事務所等を経て、スポーツ用品店に貸され、その時には大規模な改修の手が加えられたようです。盗難予防の目的でスチール製のシャッターを正面全面に設置。正面にあった柱を6本切断、シャッターのブラケットを溶接するためにU字鋼を取り付け、柱の残部を挟み込み2階が落ちるのを防ぐという荒っぽい仕事で、2階は人の重さでも床が揺れ使用できなくなりました。1階の床もその際に撤去し、レベルを下げて土間コンを打設して長尺シート張りにしたようですが、大雨の際には床上浸水したようです。また、正面を除いて全ての窓を閉塞し、非常に換気の悪い空間となっていました。しばらくして、スポーツ用品店は近くに新築し移転、その後は学習塾が入居しました。学習塾は2階使用は断念。1階を縦に2分し、学年ごとに分けて使用していたようでしたが、窓が閉塞され密閉された空間のため、換気が悪く臭いがこもることから2016年に移転し空家となりました。施主は道を挟んだ向かいの土蔵改修の施主と同じ方で、これを機に、外観も往時に戻しつつ現代社会のインフラに適応した空間とし、収益物件として再生することを希望されました。リアルスタイルでは、一級建築士の星野明氏に協力を仰ぎ、構造設計も含めて改修計画を進めました。1階ファサード部は、建築当時の構造に戻しつつも、施主の意向も組み、木製特注サッシや特注玄関ドアの使用は諦め、既製品を使用する等の妥協を重ねつつ、外壁は当時と同じモルタル金鏝仕上げのトップコート仕上げ、壁面に開口部や設備類の取り付けをしないなど、極力往時の外観を再現し、断熱処理や電気設備、給排水設備、空調設備などは最新に更新し再生を行いました。

建築概要

リアルスタイル担当
企画/設計/監理
設計担当
仙台店 後藤寿之
面積
延床面積:130.42㎡(39.45坪)
竣工
竣工:1927年(昭和2年) 改修完成:2019.8(令和元年)
構造
構造:木造2階建(洋館・小屋組)
場所
宮城県宮城県亘理郡亘理町
施工
リアルスタイル株式会社仙台店
協力
一級建築士事務所意匠屋:星野明 有限会社トップラン一級建築士事務所:土方巌(構造設計)

その他の設計・施工実績

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